恋愛・婚活ビヘイビア

20年前の非常識が現代は常識?結婚の多様化が進む平成・令和の結婚観

『恋愛と結婚は別物』と考える人――。
『結婚は恋愛の延長線上』と考える人――。

どちらの考えも昔からありますが、いずれにしても『将来的には結婚したい』と考える男女は、約90%以上もいるのが現実です。

ただ、その結婚というものが、現代では様々な形として認識されつつあり、およそ20年も前には本当に少数だった形が、今ではほぼ違和感なく受け入れられている結婚の形が増えています。

収入が右肩上がりの昭和とは違っていることもあり、平成~令和にかけては、結婚という形そのものが多様化の一途を辿っています。

この記事では、そんな現代の結婚について、少し話していこうと思います。

恋愛観と結婚観は全くの別物

20代から30代前半の男女、特に男性に目立って増えてきているのが、コミュニケーション能力の不足です。

ただこれは、今の若者に限ったことではなく、昭和の時代でもコミュニケーションが苦手な人は決して少なくはありませんでした。ただ、目立っていなかっただけです。

昭和の時代では、寡黙・口下手・不器用といった表現だったものが、現代では、アニメやマンガ、或いはゲームにハマる、いわゆる『オタク』というカテゴリーが一般的に浸透しているだけです。

そんなコミュニケーションが苦手な人でも、昭和の時代ではほとんどの人が結婚出来たのですが、その理由は『お見合い結婚』が少なくなかったからだと言えます。
世話好きなご近所さんが、お見合い話を持ってくるというのは、昭和の時代では珍しくなかったのです。

コミュニケーション能力は結婚後に2人で育める

コミュニケーション能力が高い人というのは、男性でも女性でも恋愛結婚に向いていると言えます。

これは当然のことで、恋愛に最低限なくてはならないものがコミュニケーション能力で、これがないと恋愛のスタート地点にすら立つことが出来ません。

しかし、結婚相談所などを利用して、お見合いという形からスタートすると、相手の人柄などが事前に分かるため、コミュニケーション能力が不足していても結婚へと繋がっていきます。

結婚すれば、コミュニケーション能力というものは2人で育んでいけるものなので、恋愛結婚にこだわらなければ、ほとんどの男女は結婚して家庭を築くことが可能と言えます。

コミュニケーションが苦手で恋愛下手でも、それがイコール『結婚生活には向いていない』ではなく、逆に家庭を大切にする誠実な人が多いということです。

現代の若年層が結婚に求めるものとは

時代が変わることによって、社会のルールや物事の考え方は変化していきます。

例えば、18歳から35歳の若年層が『結婚に対する利点』についての主な解答というのは、以下のようになります。

  • 親や周囲の期待に応えられる
  • 子供や家族を持てる
  • 独身のままだと出世しにくくなる

上記の解答は、国の第三者機関が独自に調査したもので、『愛するパートナーと一緒に暮らしたい』という解答は極々少数だったようです。

特に、20代から30代の女性に限っての解答では、パートナーと一緒にいたいという解答よりも『子供が欲しいから』が、圧倒的に上回っています。

多様化している結婚という形

1990年代においては、恋愛結婚というのは一つのトレンドでもありました。

ですが現代では、恋愛をして愛する人と結婚、というものにこだわりがなく、どちらかと言えば『友達のような感覚で過ごせる相手』を求める傾向にあります。

極端に言えば、相手は異性とは限らないということです。

いわゆる同性婚なのですが、アメリカは法的に認められており、欧州でも国によっては同性婚は認められています。日本では2015年3月、東京の渋谷区が『同性パートナーシップ条例』が成立しています。

法律ではなく条例なので、法的な拘束力はないものの、同性のカップルを結婚に相当する関係と認める証明書を発行する、という自治体独自のルールとなります。

日本国憲法で同性婚は違反とされている?

渋谷区で条例が成立された翌月、某女性タレント2人がウェディングドレスに身を包んで、結婚式を挙げました。

この2人のタレントは、渋谷区ではない某区役所に婚姻届を提出しましたが、窓口担当者に「女性同士なので受理は出来ません」と言われて、不受理証明というものを受け取ったようです。

日本国憲法第24条1項では、
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」
と明記されています。

これは解釈の問題なのですが、 最高法規である日本国憲法は『同性の婚姻は認めない』という解釈に、現時点ではなっているようです。

全くの私見ではありますが、上記の条文に『同性の婚姻は認めない』という意味に該当する箇所は見当たらないように思えます。

さらに、そもそもが日本国憲法というのは、日本国の最高法規であると同時に、権力側を縛って自らの権力を乱用しないようにするためのルールです。

学説でも、日本国憲法では同性婚を禁止していない、というのが一般的解釈となっています。

過去の非常識は現代の常識となりつつある

時代が進むにつれて、常識や慣習というものも変化していきます。

グローバル化が進む現代、あらゆる国の人々が日本を訪れており、日本で働く外国人を見る光景は当たり前となっています。

外国人だけではなく、女性の社会進出、障害を持った方の積極採用など、多様な人材を活用しようという考え方のもと、知恵を出し合いながら社会の形も時代とともに変化しています。

世界中の先進国において、様々な価値観の人たちが集まり、自分なりの世界観を持って『これからの時代はこれだ』というものを選べる社会を作ることに意義があると言えるでしょう。

同性婚を法的に認めるか否か、については、まだ解決しなければならない問題が多数残っていることも事実なので、手放しで認める方向にはまだまだ行かないと言えるでしょう。

ただ少なくとも、多様な価値観で様々な形での結婚を実現しようとする若い世代を阻害することのない社会を造っていくことが、これからの未来に向けて重要な課題だと思えます。

欧米ではすでに同性婚が法的に可能

多様な人種や民族が集まっているヨーロッパでは、オランダ・ベルギー・スペイン・ポルトガル・スウェーデン・デンマークなど、同性婚を認めている国が多数あります。
また、イギリスやフランスでも、2013年に同性婚を認める法律が成立しています。

多民族国家であるアメリカ合衆国では、2015年6月に最高裁判所により、
『法の下の平等を定めた憲法を根拠に全米で同性結婚を認める』という判決が下されています。
それまでは、州単位で認められていることはあったのですが、この判決によって、同性カップルの結婚が異性婚と同様に、全米で認められることとなりました。

同性婚が是か非か、という議論に終着点があるのかどうかは、まだまだ分からない状態ですが、グローバル化が進む昨今では、そう遠くない将来には反対派が埋もれていくのではないか、と思われます。

かつては少数派だった結婚のスタイルが

同性婚を法的に認めるというのは、かなり思い切った法改正が必要となりますが、かつては少数派であった結婚のスタイルが、現在ではじわじわと増えつつあります。

  • 大きく歳が離れた『年の差婚』
  • 外国人と結婚する『グローバル婚』
  • 主に妻が稼いで夫が家を守る『逆転婚』

グローバル婚は、一昔前でも決して少なくはなかったのですが、現代では非常に増えており、決して珍しいことではなくなっています。

妻が外に働きに出て、夫が家のことをする形、いわゆる『主夫』というのも、現代ではかなり増えており、それだけ女性の社会進出が当たり前の時代になったと言えるでしょう。

昭和の初期では、男子厨房に入るべからず、といった常識があったようですが、現代社会では非常識のカテゴリーに入っている現実があります。

このように、長くても20年、早ければ5年も前の常識は非常識へと変化していくほど、時代の流れは急速にスピードを増しています。

ただグローバル婚に関して言えば、生活習慣や宗教上の考え方の違い、食生活など、お付き合いの段階では見えないことが少なくありません。

外国人との結婚では、結婚後の生活に入った段階で気づくことも多くあり、離婚率も低くないのが現実です。

まとめ

『20年前の非常識が現代は常識?結婚の多様化が進む平成・令和の結婚観』いかがだったでしょうか?

色々な意味で、時代の波のうねりが強くなっている現代社会……グローバル化が進んでいることによって、富裕層と貧困層の格差も広がり続けています。

そんな激動の時代だからこそ生まれてくる、様々な結婚のスタイルによって、若年層はこれからの時代を生き抜いていくために奮闘しています。

先進国が少子化によって、高齢社会の真っ只中に突入している現代こそ、あらゆる形での結婚スタイルが必要となってくるのではないでしょうか。